代表のコラム Vol.6 大人の学び直し

(2022.11 掲載)

すっかり秋めいてきましたが皆様お元気でいらっしゃいますでしょうか。

最近よく「リスキリング」という言葉を耳にします。
リスキリングとは大人の学び直しをさす言葉です。

2021年の経済産業省の発表ではリスキリングとは「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応させるために必要なスキルを獲得する、またはさせること」と定義しています。
主にDXなどデジタル教育分野を中堅層の研修に取り入れようという呼びかけのようですが、人事研修のトレンドになりつつあるようです。

リスキリングと似た言葉に「リカレント」があります。
こちらも社会人の学びを表す言葉です。
リカレントは社会人経験をいったん中断して学生に戻るといった意味合いがあり、自発的に学ぶというニュアンスがあります。

これに対してリスキリングは仕事をつづけながら学ぶという意味で、学びに専念するわけではないので、その点でリカレントとは違います。
また、リスキリングは業務の一環として学ばなければならない、「やらされている」というニュアンスがあることが否めません。
「やらされているから仕方なく取り組む」という状況だと成果が上がりにくいことは容易に想像できます。
職場の整理収納も同じだからです。

5S活動でも「なんでやらなきゃいけないんだ」というメンバーのモチベーションの低さに手を焼いたご経験をお持ちの方もいらっしゃるかも知れません。
実際に行動する前にメンバーの活動へのモチベーションを上げることがいかに重要かは本講座の中でもお伝えしていますが、これは本当に重要なポイントです。

おそらくリスキリングに関しても同じように学びの内容以前にモチベーションを上げる工夫が必要になると思います。
モチベーションを上げる方法はケースバイケースですが「成果を見せる」「効果を期待させる」などは必要になります。
それらにはデータを使うことが有効です。
これも本講座でも学んだ内容ですね。

もう一つ大事なことはコミュニケーションです。
モチベーション管理の為にも活動承認をするというコミュニケーションが必要だという内容も本講座で学んでいただきました。
リスキリングでも同様にコミュニケーションが重要になると思います。
上司部下のコミュニケーションも大事ですが、リスキリングは中間層へのアプローチが主なので、同期や同世代とのコミュニケーションも大事なポイントになると思います。
仲の良い同年代や同期のグループなどでリスキリングに取組ませるなども一案だと思います。

今月は様々な職場で今後大きく取り組まれるであろう「リスキリング」についてお伝えしました。
このリスキリングにも整理収納マネージャー講座の内容をヒントに出来る部分も沢山あると思います。
何かにご活用いただければ幸いです。


 

代表のコラム Vol.5 環境改善でSDGs

(2022.10 掲載)

2022年も残りあと3か月。時間がたつのは本当に早いですね~
9月22日の夜に恒例の無料勉強会を開催しました。

今回のテーマは「SDGs」
SDGsの17のゴールや196のターゲットに関しては皆様すでに十分ご存知だと思いますが、職場の環境改善が17のゴールにどうリーチできるのかを皆さんと学んでいきました。
SDGsってテーマが大きすぎるし、ぶっちゃけ「きれいごと」に聞こえる。やってもやらなくてもあんまり変わらないんじゃないかと密かに思ってたなんて意見もよく耳にしますが、SDGsはすでに仕事をする上で無視できないものになっています。

・SDGsの経済効果
2016年 世界経済フォーラム(ダボス会議)で試算されたSDGsの経済効果は12兆ドル(約1738兆円)、最大3億8000万人の雇用の創出の可能性を発表。

・教育が変わっている
小中高校の教育カリキュラムでも環境問題に関する学習時間は年々増えている。子どもたちの意識変化。

・環境問題への関心がない企業と認識されてしまう
環境への取り組みに配慮していない企業の商品を買わない。就職先に選ばない。など各個人が考えるようになると投資家も同様。
企業内整理収納マネージャー講座の中で学んだ「対外的効果」に通じるものがありますが、やはり仕事をする上で、どのような企業(ビジネスパーソン)に思われるかといったイメージは大事にしたいところです。

環境問題に取り組む姿勢が高く評価されることは単純にいい事ですし、従業員満足度へも繋がるのではという話も勉強会の中でありました。
勉強会では17の目標ごとにリーチできる具体案を環境改善の内容から学びました。

===受講生のご感想=============
・SDG sと企業内整理収納についての結びつけ方がわかりました。ありがとうございます。

・整理収納の観点からみたSDGSという、私たちに密接な内容を目標に落とし込んでいくことで、よりSDGSが身近に感じられました。
今までも環境問題に取り組み、エコアクション21の審査を毎年行っていましたが、今年からSDGSの観点からも考えるようになってきました。
より、自分たちが行っていることを目標に関連付け意識して行動したいとワクワクした気持ちになりました。
貴重なお話をありがとうございました。

・先生が例示してくださった整理収納AD業のSDGs17分類へ当てはめはもちろん、参加者の皆様の企業現場への落とし込みのお話が共感することが多かったです。
また、先生がはじめに「SDGsは取り組んだほうがよい、せざるを得なくなっていく」と仰ったことが、皆様の終わりの感想「難しく考えずに先ずやってみたい」へ着地し、一人ずつは少しでも大勢が取り組むことで大きな波となるきっかけ、講座をとおしてSDGs取り組みの種が蒔かれたように思い、嬉しくなりました。

・SDG’sについては、本で読んだり、軽くは知っているくらいでした。
今回学ばせていただいて、自分事にできるなと思いました。私なりに取り組んでみたい課題もありそうだと気付きました。
また自治体の取り組みについてもちょっと調べてみたいと思いました。
貴重な機会をありがとうございました。また勉強会には参加したいです。

・SDGSが生み出す雇用について希望が持てた。

・資格を取得した後も、セールスや技術向上のために場をつくっていただける、その在り方が有難いです。

・企業内整理収納はワークライフバランスの実現において価値があると感じているが、(個人的な印象として)家庭のそれとちがってなかなか認知が低く、普及も難しい。
亀の歩みではありますか、地域の個人店舗やオフィスなどから、少しずつ事業における整理収納のよさを広めていきたい。

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ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
またSDGsに関しても追加で勉強会したいと思います。
次回は一度開催しました、「書類の分類勉強会」を再度開催します。
前回参加できなかった皆様、是非ご参加ください!


 

代表のコラム Vol.4 音を味方につける

(2022.9 掲載)

早いものでもう2022年も残り4か月になりました。
夏休み中は在宅勤務の方はご家族の生活音や話声が気になる事があったかもしれません。

皆様は生活音への対策を何かしていらっしゃいますか?
リモート会議中などはイヤホンやヘッドセットを使って生活音を拾わない工夫をしていると思いますが、それ以外の作業時に耳をふさぐイヤホンやヘッドセットを使うのは避けたい方も多いのではないでしょうか?

おススメはネックスピーカー。
軽量のものはつけていることも忘れるほど。
集中しやすいBGMなどを小さい音で流しておくのがおススメです。
耳がふさがれているわけではないので家族に話しかけられても答えることが出来ますし、インターフォンの音を聞き逃すこともありません。

【音を味方につける】
音がある方が集中力はアップするというデータもあります。
(引用 「オフィス環境における積極的環境効果について」より)
文章作成時には無音より50デシベル以下の環境音が流れているほうが集中でききるという結果です。
環境音とは50デシベル程度の「聞こえているけど気にならない音」を指しており、カフェのBGM、雨の音、川のせせらぎ、鳥のさえずりなどを指します。

【作業のBGMに向いている音楽】
Youtubeで作業用BGMの検索をすると沢山ヒットします。
「雨音」「川の流れる音」「波音」など自然派の音と、「車の走行音」「カフェでの食器やカトラリーが触れる音や客の話声」といった社会派の音があるようです。
もちろんクラッシックやピアノ、JPOPやKPOP、洋楽など音楽ジャンルも沢山ありますので、集中しやすい音をご自身で探してみてください。

私は言語がイメージできる音が苦手でJPOPや洋楽はBGMには避けています。
脳内で文字変換してしまうので、文章を書いたりする際に音が邪魔になります。

私は水の音が好きで雨音は涼しくて気に入っています。
ただ外の天気が曇りの日は、ふとした拍子に雨が降り出したと勘違いしてしまうので、実際に雨が降りそうな日は不向きかもしれません。
陰陽五行論(東洋哲学)では水性は習得本能を司り、「雨の日は勉強が捗る」と言われています。
集中が切れた時はシャワーを浴びるとまた知性が働くとも言われ、水と頭の働きは何らかの関係があるのかもしれません。
作業中のBGMに水性を取り入れてみてください。

今回は音に関してお伝えしました。最後までお読みいただきありがとうございました。
皆様素敵な9月をお過ごしください。


 

代表のコラム Vol.3 作業を短期決戦でする場合も導入研修は開催する

(2022.8 掲載)

病院や、歯科医院、美容院、飲食店など営業時間内に環境改善を進めるのは難しい職場もあると思います。
そのような場合は休診日や定休日に出社して取り組むといった形で行われることが多くなります。
通常週に1~2時間のペースで数か月かけてゆっくりと取り組む活動を1日~2日で終わらせてしまうというケースです。
このやり方は休日出勤は必要になりますが、一気に環境改善が進むのがメリットです。
お盆休みなどのチャンスに環境改善に取組まれるケースもあるのではないでしょうか。
午前中は朝礼をして、役職者からの挨拶をいただき、その後短い時間でも研修をします。
活動期間が短いと研修を省いてしまいがちなのですが、30分程度の短い時間でも導入研修は行うことをお勧めします。
導入研修を動画にしておいて、カギ付きのYoutubeなどにアップしておき、当日までにそれぞれが動画から学ぶやり方も一案です。
講座内でもお伝えしていますが導入研修はこの活動の主旨を伝え、目標を明確にして、モチベーションを上げてもらう狙いがあります。
作業を行う前に活動の主旨を理解し、モチベーションを上げてもらうことは本当に重要です。
かなり前の話になりますが、この活動の主旨を理解してもらう事とモチベーション管理の部分をおざなりに、皆さんに作業をお願いしたことがあります。
研修の時間を省きたいという経営者の方の意向だったのですが、これが上手くいきませんでした。
皆さんの動きは悪く、ダラダラと作業は一向に捗りません。
皆さんの作業が捗らない分、私は躍起になって作業をしたのですが、それが仇となり社員の方から煙たがられてしまいました。
私から質問をしてもリアクションが薄かったり、資料に紛れどなたかが書かれたと思われる官能小説が送られてきたり(爆)
嫌がらせかなぁと思うような出来事がありました。
もちろん気づかないふりをしましたが、ネガティブな感情のまま作業をお願いした私が悪いなと反省したことを覚えています。
そこから方向転換して研修に力を入れさせてもらいました。
参加型で楽しい内容を心がけ、チームで取り組むワークを沢山入れました。
3回研修をして皆さんの知識が深まり、意識も前向きになった頃には、すごくフレンドリーに接してもらえるようになりました。
作業も私がお伝えした以上の内容をこなしてくれるようになり、最初の作業とは雲泥の差です。
毎回お茶を淹れてくれ、帰り道は送ってもらえるようになりました(笑)
心が行動を変えるとつくづく感じました。
研修を担当する時は皆様の心にアクセスする内容をお伝えし、心にアクセスさせてもらえる講師でありたいと常に思っています。
件の職場は半年後にはすっかりきれいに見違えるほど素敵な環境になりました。
今も整理収納を続けていると定期的にご連絡を下さいます。
今月は短くても導入研修でモチベーションをアップさせるという内容をお伝えしました。
またまた私の昔話に最後までお付き合いいただきありがとうございました。


 

代表のコラム Vol.2 ファイル名の最後の「r」の謎

(2022.7 掲載)

講座内でデータファイリングのご質問を頂くことは年々増えています。
パソコン内の整理収納をどうにかしたいと思う方が多くいらっしゃる事を実感します。
昔話になりますが、私は以前、米国本社IT企業の日本法人で働いていたことがあります。
当時から「紙よりデータ」という文化がその職場にはあって、共有サーバは見事なまでにファイル管理がされていました。
個人がサーバー内に勝手にフォルダを作ることは禁止されていて、「アドミさん」と呼ばれるサーバー内のファイリングをしてくださる事務の方に「フォルダを作ってください」と声をかけるルールでした。
(アドミさんは「administrator」の略で管理者の事)
フォルダやファイルの名前も自由につけられず、ルールにのっとって他と同じように名前をつけます。
適切じゃないとアドミさんから「ファイル名修正しました」と連絡がくるといった具合でした。
カタカナ半角禁止とかスペース禁止とか色々決まりもありましたので、それも間違えると「ファイル名修正しました」とアドミさんから連絡がきました。
しっかりとファイル管理がされていたので、窮屈に感じることもありましたが、「ファイルが見つからない」なんてことはなかったです。
その職場で完成形のファイル名の後ろに「r」をつけるというルールがありました。「r」がついているファイルは上書き保存禁止でした。
『199806_CSS問合せログr.xls』
↑こんな感じです。
(昔話なので拡張子は.xlsにしてみました)
その時はあまり感じなかったのですが、当時を思い出すと「r」が何の略だったのか気になっていました。
それから時は流れ、2021年にとある大学で開催したファイリング講座で「r」の略が何だったのか気になるという話をしたら、なんと事務局の方が後日調べて連絡をくださいました。
「r」は「reserve」の略で、reserveには「予約する」以外にも「留保する」「そのままの形でとっておく」という意味があるそうです。
当時「r」を付けていたのは主にMicrosoftExcelの表計算ファイルで、データを月次で集計したものが多かったので、まさに「上書き保存禁止」で運用すべきものでした。
思い返すとpdfのファイルには「r」をつけていなかったのも納得です。
データ加工の都合でpdfファイルにせずに保存する際、「上書き保存禁止」のルールの一つの参考にしていただければ幸いです。
ということで、今月のコラムは私の長年の疑問が解決したというお話でした。


 

代表のコラム Vol.1 職場の傘問題

(2022.6 掲載)

梅雨時ですね。通勤時間も雨が多く、憂鬱に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
特に濡れた傘は通勤電車内で持て余すことも多いですよね。
最近は傘の表面が内側に畳まれるタイプも増えてきました。
折り畳んだときのビジュアルに少し違和感がありますが、満員電車では便利で人気があるようです。
出勤すると傘は入り口の傘立てに入れることになりますが、皆様の職場の傘立ては整理されていますか?
企業訪問する際に傘立てを何気なくチェックしている人も多いのではないでしょうか。
【残念な傘立てとは?】
・折れた傘が放置されている
・錆びたり汚れたビニール傘がある
・社員の置き傘と思われる傘がたくさんあり来客の傘が入らない
など、残念な傘立てを見かけることがあります。
傘立ての傘はいつもチェックして、濡れた傘が置きっぱなしにならないように注意しましょう。カビや錆など汚れの原因になります。
晴れた日は傘立てには傘はゼロ!あったとしてもお客様に貸出する傘が数本のみ置かれているのが理想です。
【ビニール傘にはラベリング】
傘立てのそばにビニールテープと油性マジックがおいてあり、「ビニール傘には名前をお付けください」と書かれていた職場に以前伺ったことがあります。
ビニール傘は見分けがつかないので、自分のものではない傘を悪意なく持ってかえってしまうこともあります。
少しの手間ですが名前をラべリングしておけば、持ち帰る際に間違えることなく便利ですね。
【忘れ物の傘に関してのルールを作る】
2019年3月からJR東日本の車内や駅構内の忘れ物の傘の保管期限が3か月間から1か月間に短縮されました。
1か月たったら処分されてしまうので、忘れ物に気が付いたらすぐに問い合わせをして保管場所に取りにいかないといけません。
保管期限が短くなった理由としては

「年々、傘の忘れ物が増えている」
「これ以上の保管場所を確保できない」
「傘の忘れ物の返却率が1割と低い」

といった内容だそうです。
傘の返却率の低さには少し驚きましたが、年々販売されている傘の単価は下がっているように感じていたので、「なくしても諦められる程度の傘」を持つ人が多くなっているのかもしれません。
サスティナブルな社会という観点から、傘を使い捨てのように考えるのは改めていけるといいのかなと思います。
職場に忘れ物傘の保管ルールがない場合はルール作りをしましょう。保管期限が1か月というのは少し短い気もしますので、例えば「3か月たったら処分する、もしくは貸出傘として活用する」などルールを周知しておきましょう。貸出傘として活用する際は、社名や「ご返却は総務部まで」など返却先のラベル
をつけておきましょう。
この傘が仕事のご縁を運んでくれるラッキーアイテムになるかもしれません。
ダイドードリンコ(株)では自社の飲料自動販売機に「レンタルアンブレラBOX」を設置、傘を無料で貸し出すサービスをしているそうです。
急な雨に困っている方に使ってもらいたい。
ダイドードリンコの自販機があってよかったと感じてもらえるようにとはじめた取り組みで、好評で関西を中心に18都道府県に設置されているようです。

https://www.dydo.co.jp/sustainability/activity/rental-umbrella.html

気になる傘の返却率ですが、なんと70%!凄い確率で皆様ちゃんと返却してくれるそうです。
道徳的で良心的な社会であることになんだか嬉しくなりますね。
自販機で飲み物を買う時はダイドードリンコの自販機を探したくなります。
ちなみにレンタルアンブレラBOXの傘は鉄道の拾得物傘だそうです。
廃棄されるものを再利用してくれているのもエコでそれもなんだか嬉しいですね!

 

だいぶ話が脱線しましたが、傘を整理し、傘を活かして、皆様の職場にも傘が幸運をもたらしてくれますように。
梅雨の時期ならでは、職場の傘のトピックスでした。
(お写真はダイドードリンコ(株)様よりお借りしました)
皆様、快適な職場で素敵な6月をお過ごしください。